*応用数学2B 2015年度 [#ff95d280]

** &color(green){[第1回]}; 2015.9.30 概要(ラプラス変換とフーリエ変換の関係)、ラプラス変換の定義と例 [#i8a1301a]

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-Q: シラバスは配布しないのか?
-A: シラバスのホームページからダウンロードしてください。[[ここ>https://www.nagaoka-ct.ac.jp/wp-content/themes/ngaoka_kousen2009/syllabus/h27/31266.pdf]]にあります。

-Q: 声をもっと張ってほしい
-A: すみません。改善します。

-Q: 広義積分の極限を取るときに値が収束するか等の証明はテストで回答する際に必要か?
-A: 不要です。


** &color(green){[第2回]}; 2015.10.7 ラプラス変換の性質 [#ac8b48bf]

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-Q: L[sin t]を \[\sin t = \frac{e^{it} - e^{-it}}{2i}\] で求めると s > i になるが、部分積分法で求めると s > 0 になるのは何故か?
-A: どちらも、s の実部が正、となります。s > i は正しくは、Re s > Re i、つまり Re s > 0 です。「Re」は実部の意味です。s > 0 も同様。\[e^{it}, e^{-it}\] は t によらず常に振幅が 1 の単位円上の複素数であり、無限区間の積分値は収束しません。これを収束させるため、s の実部が正となる必要があります。sin t と同じ状況です。

-Q: \[e^{\alpha t} \sin \omega t \] の負に注意?
-A: 話がこの部分に進んだとき、その前の部分で話すつもりだったことを思い出し、話を戻して説明を加えたため、混乱を与えたと思います。また、その説明が中途半端でした。すみません。伝えたかったことは、三角関数について知っている結果
\[ \sin (-\omega t) = - \sin \omega t, \quad \cos(-\omega t) = \cos \omega t \]
が、そのラプラス変換
\[ {\cal L}\left[\sin ((-\omega) t)\right] = \frac{(-\omega)}{s^2 + (-\omega)^2} = - \frac{\omega}{s^2 + \omega^2} = {\cal L}\left[ -\sin\omega t \right] \]
\[ {\cal L}\left[\cos ((-\omega) t)\right] = \frac{s}{s^2 + (-\omega)^2} =\frac{s}{s^2 + \omega^2} = {\cal L}\left[ \cos\omega t \right] \]
を介しても理解できる、ということです。


** &color(green){[第3回]}; 2015.10.21 ラプラス変換の性質(つづき)〜逆ラプラス変換 [#df2567e8]

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-Q: 逆ラプラス変換時に、留数和による方法は使っても大丈夫でしょうか?
-A: 大丈夫です。

** &color(green){[第4回]}; 2015.10.28 逆ラプラス変換(つづき:部分分数展開を用いた一般的な方法)〜微分方程式への応用 [#f5bb7eff]

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-Q: 部分分数展開の分母からどのようにおいていいかわからない。自由度についてよくわからない。
-A: 説明だけして具体的に式を書かなかったため、理解しにくかったかもしれません。
以下、はしょった部分を補足します。足りない場合はまた聞いてください。
-- まず、例題15(1)でなぜ
\[
\frac{s}{(s+2)(s+3)(s+4)} = \frac{A}{s+2} + \frac{B}{s+3} + \frac{C}{s+4}
\]
とおくか。そもそも、上式左辺はかけ算で、右辺は足し算です。ここでは逆ラプラス変換をすることが目的のため、簡単な1〜2次の有理関数の足し算で表したい要望があります(もし、上式を満足する定数 A, B, C が求まれば、右辺は直ちに逆ラプラス変換できる)。&br;
次に、左辺から右辺をどう構成するかについてですが、左辺の極(分母多項式=0)が右辺の極でもあるようにします。つまり、左辺に(s+a)という因子があったら、右辺に1/(s+a)を含める(ただし、未知係数をかける)。上の例では、s を -2 とすると左辺は発散するので、右辺も発散させる必要があります。つまり、共通の極を持つということです。
-- では、例題15(2)の場合はどうか。
\[
\frac{1}{(s+1)^2(s-3)} = \frac{A}{(s+1)^2} + \frac{B}{s-3}
\]
とおけば十分ではないか?左辺も右辺も、s = -1, 3 を共通の極として持つのだから、と思うかもしれません。しかし、自由度が足りません。これは、以下の説明とも重複しますが、左辺の分子多項式が一般の二次多項式の場合、3つの係数が含まれます。ところが右辺の分子多項式には A と B の二つの自由度しかないため、上式を満たすように A, B を定めることが一般にはできません(たまたま左辺の二次多項式が
\[
a(s-3)+b(s+1)^2 = bs^2 + (2b+a)s + (b -3a)
\]
という特殊な形をしていれば、
\[
\frac{bs^2+(2b+a)s + (b-3a)}{(s+1)^2(s-3)} = 
\frac{a(s-3)+b(s+1)^2}{(s+1)^2(s-3)}
\]
\[
\frac{A}{(s+1)^2} + \frac{B}{s-3} = \frac{A(s-3)+B(s+1)^2}{(s+1)^2(s-3)}
\]
より、A = a, B = b と定まりますが)。実際、今の例では分子多項式が 1 なので、s^2 の係数を 0 とするために B = 0 でなくてはなりません。さらに、s^1 の係数を 0 とするために A も 0 となってしまい破綻します。
-- 例題15(1) で分子が s^3 の場合:定数項が必要です。これを D とすると
\[
\frac{s^3}{(s+2)(s+3)(s+4)} = \frac{A}{s+2} + \frac{B}{s+3} + \frac{C}{s+4} + D
\]
とおけます。実際、
\begin{eqnarray}
(上式右辺)&=& \frac{A(s+3)(s+4) + B(s+2)(s+4) + C(s+2)(s+3) + D(s+2)(s+3)(s+4)}{(s+2)(s+3)(s+4)} \\ 
&=& \frac{A(s^2 + 7s + 12) + B(s^2 + 6s + 8) + C(s^2 + 5s + 6) + D(s^3 + 9s^2 + 26s + 24)}{(s+2)(s+3)(s+4)} \\
&=& \frac{D s^3 + (A+B+C+9D)s^2 + (7A+6B+5C+26D)s + (12A+8B+6C+24D)}{(s+2)(s+3)(s+4)}
\end{eqnarray} 
となって、D=1 となります(逆に言えば、D=0では、s^3 を表せない)。
残りの A, B, C は、s^2, s^1, s^0 の係数が全て 0 となるように定める必要がありますが、今、未知数が3で三本の(一次独立な)式があるので、一意に定まります。
今の例のように分子多項式が 3 次の場合には、その係数を表すためにA,B,C,Dの四つの自由度が必要となります(分子多項式が2次の場合は三つの自由度が必要)。
より一般的に、分子が定数 a_i を持つ任意の三次多項式
\[
a_3 s^3 + a_2 s^2 + a_1 s + a_0
\]
の場合には、
\[
\frac{a_3 s^3 + a_2 s^2 + a_1 s + a_0}{(s+2)(s+3)(s+4)} =
\frac{D s^3 + (A+B+C+9D)s^2 + (7A+6B+5C+26D)s + (12A+8B+6C+24D)}{(s+2)(s+3)(s+4)}
\]
となり、s^3, s^2, s^1, s^0 の各係数が両辺で等しくなるように A, B, C, D が a_i で表せます。

** &color(green){[第5回]}; 2015.11.4 微分方程式への応用(つづき:初期値の取り扱い)〜たたみこみ [#r3db4c31]

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** &color(green){[第6回]}; 2015.11.11 線形システムの伝達関数とデルタ関数 [#b7f2f953]

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□1 の黒板にδ(t)とe^{-t}のグラフと、以下追記(写真取り忘れ、すみません):
 インパルス応答 ... t=0の瞬間の入力による、時刻tにおける正味の出力

-Q: 丸4の重みが分からなかった
-A: 説明がイマイチでした。説明したかったことは次のことです:
-- 積分の中身において、\[ e^{-(t - \tau)} \] は、\[ x(\tau) \] に対する重みとして働く。たとえば x(0) と x(t) に対する重みはそれぞれ \[ e^{-t}, \quad 1 \] となり、
y(t)を定めるためには x(t) の方が x(0) よりも重視される(x(0) は時間 t の経過とともに忘却される)。ただし、これは H(s) = 1/(s+1) の場合の話。
-- 一般の H(s) の場合、x(0) が時間 t の経過とともにどうなるか? ... これを表しているのがインパルス応答 h(t) である(時刻 0 でしか値を持たないデルタ関数の影響が、時間の経過とともにどうなるかを表現しているのだから)。

なお、これは説明しませんでしたが、H(s) = 1/s の場合には、「忘却」されずに一定に保持されつづけます。

** &color(green){[第7回]}; 2015.11.18 中間テスト [#ha213f87]

** &color(green){[第8回]}; 2015.12.2 フーリエ解析の概要、周期2πのフーリエ級数 [#kef8fc2b]

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** &color(green){[第9回]}; 2015.12.9 一般の周期のフーリエ級数 [#t3e94843]

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** &color(green){[第10回]}; 2015.12.16 複素フーリエ級数 [#e7b9b7b6]

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** &color(green){[第11回]}; 2016.1.13 フーリエ級数の偏微分方程式への応用 [#d1994ab7]

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-Q: 最後のところを詳しく説明してほしい
-A: 一番最後に説明した、簡単な方法、のことだとして以下回答します。違っていたらまた聞いてください。
まず、奇関数 f(x) のフーリエ級数展開は、
\[
f(x) = \sum_{n=1}^\infty b_n \sin\frac{n\pi x}{l}
\]
と書けます。l = 2 に注意すると、練習問題1.5の f(x) は
\begin{eqnarray*}
f(x) &=& 5\sin 2\pi x - 3\sin 5\pi x \\
&=& 5\sin \frac{4\pi x}{2} -3\sin\frac{10\pi x}{2}
\end{eqnarray*}
となります。つまり、フーリエ係数は n = 4, 10 のときだけ非ゼロの値をとり、
\[
b_4 = 5, \quad b_{10} = -3
\]
であることがわかります。
(f(x) はもともとフーリエ級数の形で与えられており、改めてフーリエ係数を求める必要がなかった、ということです)
あとは、u(x,t) の式に代入して解が得られます。

 
** &color(green){[第12回]}; 2016.1.20 フーリエ変換と積分定理 [#k0d14fec]

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#ref(2016.01.20-3.jpg,left,noimg,板書 #3);

** &color(green){[第13回]}; 2016.1.27 フーリエ変換の性質 [#p602c46e]

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#ref(2016.01.27-2.jpg,left,noimg,板書 #2);
#ref(2016.01.27-3.jpg,left,noimg,板書 #3);
#ref(2016.01.27-4.jpg,left,noimg,板書 #4);
#ref(2016.01.27-5.jpg,left,noimg,板書 #5);

//■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
&color(black,red){&size(20){!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!以下は過去の情報です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!};};
//&color(black,red){&size(20){!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!以下は過去の情報です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!};};

-Q:基本的な関数のフーリエ変換が5つ出て来たが、これらは実用的な場面が多くあるのか?
-A:5つのうち、(iii)は次回、熱伝導方程式の解を構成する際に出てきます。熱伝導問題に限定して考えると、フーリエ変換される関数f(x)は棒の初期温度分布に対応します。すると質問は、初期温度分布としてどのようなものが実用上多くありそうか、ということになります。たとえば棒のある一部の区間だけ100度で外が0度のような初期状態がステップ状の関数Paに対応します。このような単純な状況は非現実的であり、実用的でない、と言えなくもありませんが、複雑な現象を検討する前にまず単純な状況を検討するという進め方はよくあります。教科書p.110の練習問題2の2には、(ダクト中を伝播する音波など)一次元の波動方程式が載っています。この場合、フーリエ変換される対象は、初期圧力分布です(ただし二つの進行方向に対応して二つの関数があります)。やはりこの場合も、ステップ状の初期圧力分布は、他の複雑な現象を考える上で基礎を与えるため、教科書に良く載っています。
答えになっていない場合は、また聞いてください。
** &color(green){[第14回]}; 2016.2.3 偏微分方程式への応用 [#u52ddb3a]

** &color(green){[第14回]}; 2015.2.4 偏微分方程式への応用 [#u52ddb3a]
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#ref(2016.02.03-2.jpg,left,noimg,板書 #2);
#ref(2016.02.03-3.jpg,left,noimg,板書 #3);

#ref(2015.02.04-1.jpg,left,noimg,板書 #1); ... □1を飛ばして□2 から書き始めてしまいました。
#ref(2015.02.04-2.jpg,left,noimg,板書 #2);
#ref(2015.02.04-3.jpg,left,noimg,板書 #3);
#ref(2015.02.04-4.jpg,left,noimg,板書 #4);

-Q:中間試験と期末試験の再試は別々に行うのか?
-A:別々に行います(それぞれの難易度は本試験と同じです)

-Q:試験で u(x,t) を求めた後、初期条件を満たすことを示す必要はあるか?
-A:ありません。

-Q:偏微分方程式が変わったら、解も変わるのか?
-A:変わります。たとえば正の実数 k で一般化した偏微分方程式
\[ \frac{\partial u}{\partial t} = k \frac{\partial^2 u}{\partial x^2} \]
に対する解は
\[ u(x,t) = \frac{1}{2\sqrt{\pi k t}} \phi(x) \ast e^{-\frac{x^2}{4kt}} \]
となります。


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