そもそもTeXはテキストエディタでファイルを編集し,コンパイル,プレビューを個別に行います.そのため,コマンドライン上の操作を行うことになりますが,この作業は初心者(WindowsのようなGUIに慣れ親しんだ人には)には不便(受け入れにくい)作業となります.
そこで,これらの不満を解消できる,TeX用の統合環境(TeX用のエディタ)がいくつも開発されています.フリーのものから有料のものまで数多く開発されていますので,自分の用途に合ったものを選んで使用してみるのもよいと思います.
TeX Wiki WebサイトのTeX用エディタのページにエディタがまとめられていますので参考にしてください.種別がTとなっているものがTeX 専用のエディタもしくは統合環境になります.
国産のTeX用エディタであり,上越教育大学先生が作成したものです.Windows版のみですが,数式やギリシャ文字などをマウスで選んで入力できるという利点があります.
ファイルは以下のサイトからダウンロードできます.
EasyTeXのインストールから設定までの解説は以下のサイトを参考にしてください.
Windows版以外にMac版やLinux版,Unix版も存在しているTeX用統合環境です.国産でないため,本来は英語表記ですが,日本語化キットが開発されているので日本語化が可能です.
ファイルは以下のサイトからダウンロードできます.
Texmakerのインストールから設定までの解説は以下のサイトを参考にしてください.
Windows版のみですが,最近のバージョンでインストール時に日本語が選択できるようなり,メニュー周りの日本語化に対応しています.
ファイルは以下のサイトからダウンロードできます.Self-installing exe file(WinShell***.exe)とZip archive(WinShell***.zip)(***はバージョンを表す数字)があります.インストーラによるインストールをする場合はSelf-installing exe fileを選んでください.
TeXに標準で取り込める画像の種類はEPS形式(拡張子:.eps)となっています.しかしながら,Windowsの画像ソフトのほとんどはEPS形式で書き出すことに対応していません.
Metafile to EPS ConverterはWindowsの標準フォーマットであるMetafile形式(拡張子:.wmfまたは.emf)をEPS形式に変換してくれるソフトです.
Metafile形式で保存した画像の変換のほかに,クリップボード経由でも変換することができます. しかも読み込んだ画像(貼り付けた画像)を確認できるので,非常に便利です.
ファイルは以下のサイトからダウンロードできます.
Metafile to EPS Converterを起動すると次のようなウィンドウが開きます.
保存してあるWMF形式をEPS形式に変換する場合には,「Open Metafile」のアイコンをクリックします. Metafileを開くウィンドウが開くので,変換したいファイルを選びます.
ファイルを開くとMetafile to EPS Converter上に開いた画像が表示されます.
変換する場合は「Export EPS」のアイコンをクリックし,ファイル名を付けて保存して変換は終了です.
クリップボード経由でもEPS形式に変換することができます. 例えば,PowerPointで次のような図形を作成したとします.
この図形をEPS形式にするには,変換する図形を選んでクリップボードにコピーしておきます. Metafile to EPS Converterを起動し,「Paste」のアイコンをクリックしてクリップボードにコピーしておいた図形を貼り付けます.すると,Metafileを開いたときと同じように貼り付けた画像が表示されますので,同様に「Export EPS」のアイコンをクリックしてEPS形式に保存します.
EPS-convはいろいろな形式の画像ファイルをEPS形式に変換するためのプログラムとなっています. 標準で対応している画像形式は,BMP形式(拡張子:.bmp, .dib, .rle),JPEG形式(拡張子:.jpg, .jpeg, .jpe),PNG形式(拡張子:.png),GIF形式(拡張子:.gif),MAG形式(拡張子:.mag) となっており,Susieプラグインによりその他の形式にも対応します.
デジカメ画像はJPEG形式がほとんどなので,この変換ソフトで容易にEPS形式に変換ができます.また,画像サイズや色数の変更(カラー → グレースケール など)が行えます.
ファイルは以下のサイトからダウンロードできます.
EPS-convを起動すると以下のようなウィンドウが立ち上がります.
デフォルトでは,単に対応外像ファイルをEPS形式に変換するだけです.
EPS-convは単にEPS形式に変換するだけでなく,色数の変更等が行えます.
色 数:カラー or 白黒&br; 諧 調:2, 4, 16, 256 反 転:左右反転,上下反転,ネガポジ反転 解像度:1〜100% 圧 縮:なし,ASCII85,RLE圧縮,DCT圧縮,Flate圧縮
変換にはEPS-convを起動して「ファイル」-「開く」より変換したい元ファイルを開くか,変換したい元ファイルをEPS-conv上(ショートカットアイコンでも可)にドラッグ&ドロップすると変換が開始されます. EPS-convを起動して変換すれば,変換の進行状況が確認でき,変換後のファイルサイズ等が確認できます.
AspellはIspellに機能を追加した新しいスペルチェッカで,TeXの命令を無視する機能があります. 英語以外にもドイツ語・フランス語・ギリシア語・ロシア語などにも対応しています(ただし,それ用の辞書をインストールしておく必要がある).
次のWebサイトからAspell本体(Aspell-(任意の数字)-Setup.exe)と英語辞書(Aspell-en-(任意の数字).exe)をダウンロードします.
Aspell本体(Aspell-(任意の数字)-Setup.exe)をダブルクリックでインストールを開始すると,セキュリティ警告が表示されますが「実行」を押して進めます.
インストーラが立ち上がるので,指示に従い「Next」を押して行きます.
「Next」を4回押して進めると,Aspellのデスクトップアイコンを作成するか,マウスの右クリックでの「送る」にリンクを作成するか聞かれるので,必要に応じてチェックマークをつけます.
「Next」を押すとインストールを開始するかどうかを聞かれるので,「Install」を押してインストールを開始ます.
インストールが終わると,Aspellに関する情報が表示されるので,「Next」を押して先に進みます.最後に「Finish」を押してインストールを終了します.
Aspell用の英語辞書(Aspell-en-(任意の数字).exe)をダブルクリックでインストールを開始すると,セキュリティ警告が表示されますが「実行」を押して進めます.
辞書のインストール時に
replace TmpInstall/Copying? [y]es, [n]o, [A]ll, [N]one, [r]ename:と聞かれることがありまが,「A」と入力してEnterキーを押しておきましょう.
インストーラが立ち上がるので,指示に従い「Next」を押して行きます.
「Next」を4回押して進めると,インストールを開始するかどうかを聞かれるので,「Install」を押してインストールを開始ます.最後に「Finish」を押してインストールを終了します.
コマンドラインからも使用できるように,PATHを必要に応じて設定します.デフォルトでは,Aspellのインストール先のディレクトリ(C:\Program Files\Aspell\bin)を追加しておきます.