[[授業]]

*第1回(2013.11.7) 概要〜第1章 システムを状態方程式で記述する(線形化は割愛) [#c29098fa]
&color(blue,orange){この授業の目的:与えられた物理系に対して、最適制御系を設計できるようになる};
- シラバス
- 成績の評価方法と評価項目:レポート(36% = 6点×6回=36点)、期末テスト(64%)
#ref(report1.pdf,left,レポート1回目);
- 古典制御と現代制御の違い(長所と短所)
- 伝達関数と状態空間表現の関係(簡単な運動方程式を例に)

#ref(2013.11.08-1.jpg,left,noimg,板書1)
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#ref(2013.11.08-4.jpg,left,noimg,板書4)

-Q:どういうときxがスカラーかベクトルの場合になるのか?
-A:マスバネダンパ系の運動方程式は2階の微分方程式でした。この場合、状態空間表現(1階の微分方程式)にするために、状態変数は2行1列のベクトルとなります。同様に、n階の微分方程式を状態空間表現する場合は、状態変数はn行1列のベクトルとなります。状態変数がスカラーになるのは、1階の微分方程式の場合です。

-Q:表記として、スカラーもベクトルも G(s) = Y(s)/U(s) = cb/(s-a) でよいのか?
-A:Y(s)/U(s)と書けるのは、U(s)がスカラ(つまり制御入力 u(t)がスカラ)の場合だけです(何かをベクトルでは割れない)。一方、cb/(s-a)と表記できる、つまり (s-a) で割れるのは、A 行列がスカラ(つまり、状態変数がスカラ)の場合だけです。

*第2回(2013.11.15) 第2章 システムの応答と安定性 [#yc3a8800]

- 解析問題と設計問題: 解析が基本、今日は解析を扱う。特に安定性
- 古典制御における安定性:インパルス応答がt→∞で0に収束する
- ⇔ 現代制御における安定性:任意の初期値に対する応答がt→∞で0に収束する
- ⇔ 伝達関数の極の実部がすべて負
- ⇔ A行列の固有値の実部がすべて負
- 復習:たたみこみのラプラス変換、行列の固有値と固有ベクトル、逆行列
- 状態遷移行列の定義、状態遷移行列のラプラス変換

#ref(report2.pdf,left,レポート2回目);

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&color(black,red){&size(20){#################### 以下は去年の情報です(随時更新します)###################};};

-Q:伝達関数の極と、状態空間表現のA行列の固有値が一致する理由?
-A:伝達関数がC(sI-A)^{-1}Bと表現されることと、その極が|sI-A| = 0の解であること、それがAの固有値の定義に一致することから、言えます。

-Q:(すべての初期状態x(0)に対する)初期値応答がt→∞で0に収束することと、インパルス応答がt→∞で0に収束することが同じ理由?
-A:(i)古典制御より、インパルス応答が伝達関数の極すべてに依存すること(実部が非負の極があれば、インパルス応答は発散する)ことと、(ii)インパルス応答と初期値応答がそれぞれ C e^{At} B, C e^{At} x(0) と書けること、によります。ただし、すべての初期状態x(0)を考慮する場合は、です。一部の初期状態しか考慮しない場合、次のような不都合が生じます:極端な例ですが、インパルス応答が発散するような場合でも、x(0)=0と選べば、初期値応答は0となり発散しません。これは、不安定な固有値を動かさないようにx(0)を選ぶ場合も同様です。...このような、初期状態がどう与えられるのか(安定性を議論する際には、特定の初期状態を考えない)という話が授業では不足していたと思います。申し訳ありません。お詫びして補足します。


*第3回&color(green){済};(2012.11.16) 第3章 可制御性(3.3可制御性とその条件), 第5章 極配置法(5.1 フィードバック係数ベクトルを直接計算する) [#hd1c0072]

+解析/設計, F.F./F.B., 状態フィードバック/出力フィードバック
+状態フィードバックによって、システムの固有値を変えられる(与えられた行列A,Bに対して、行列Fによって、A-BFの固有値が変えられる)
+A-BFの固有値をFによって自由に指定できる=可制御性(B=0なら、指定不可。Bが0でないときも、自由に指定できるとは限らない。ただし、複素数の固有値に対してはその複素共役も含めないとダメ。A-BFが実行列なので。)
+可制御でない例 ... 状態変数の一部が、状態フィードバックによって変えられない
+可制御の例 ... Fによって、特性方程式の係数を任意に指定可能 = 固有値を任意に指定可能 ... 直接法による極配置
+可制御性の定義(数式で書くとうるさいが、意味は、A-BFの固有値を自由に変えられること)
+可制御性の判定 ... 可制御性行列の正則性

#ref(report3.pdf,left,レポート3回目);

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-Q: uかnかギリシャ文字なのか判別が難しいときがあるので、英数字はハッキリと書いてほしい
-A: すみません、改善します。今後は授業中にも指摘してもらえると助かります。


*第4回&color(green){済};(2012.11.30) 第6章 最適レギュレータ §6.1 評価関数と最適制御 [#q836aefe]
+今日の目標:1次系(状態変数がスカラ)の場合に、最適レギュレータ問題を解けるようになる 
+古典制御(極配置法ほか)では、安定性(制御性能)と制御入力の大きさ(コスト)のトレードオフをとることが困難
+評価関数の意味: 最小化が可能(自乗和なので0以上、微分可能)、重みの調整 = トレードオフ
+評価関数Jを最小化する状態フィードバックfを求める ... Jをfで微分して0とおく→fに関する二次方程式→閉ループ系が安定となる解を選ぶ
+最適レギュレータ問題(最適制御問題)の一般の場合(状態変数がベクトルの場合)
+その解:代数リカッチ方程式 ... fの2次方程式との関係

#ref(report4.pdf,left,レポート4回目);

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*第5回&color(green){済};(2012.12.7) 第6章つづき〜 §6.2 重み行列と正定・半正定、§6.3最適制御系の安定性 [#tac781e8]

+レポート#4の復習: Jの最小化は、閉ループ系の安定性が前提
+行列へ拡張: q→Q≧0, r→R>0 (R≧0としないのは、最適解が定まる(解が発散しない)ようにするため)
+(半)正定行列の定義
+対称行列の固有値と正定性の関係(演習6.6) ... 定理※
+(対称行列の固有値はすべて実数(演習6.8))
+定理※の証明の概要
#ref(proof3.pdf,left,定理※の証明);
+リカッチ方程式を解く(数値例により、解が複数あることを確認)
+そのうち、正定解に対応する状態フィードバックが閉ループ系を安定化する(A-BFの固有値の実部がすべて負になる)
+ 最適制御⇒安定かつJが最小
#ref(proof4.pdf,left,証明)

#ref(report5.pdf,left,レポート5回目);

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*第6回&color(green){済};(2012.12.14) §9.1状態観測器の構造、§9.3併合系の固有値 [#w9413f4c]
+ 状態観測器の必要性 ... 状態フィードバックから出力フィードバックへ
-- 方法1: u = -F y ... 静的出力フィードバック
-- 方法2:状態観測器?(演習9.1) + 状態フィードバック
-- 方法3:状態観測器((9.3)式, 演習9.2) + 状態フィードバック
+ 方法1で安定化できない例
+ 方法3((9.3)式が状態観測器であることの証明 (方法2は状態観測器でない)
+ 可観測性
+ 演習9.3' ... L を求める練習
+ 併合系(方法3の制御系)の固有値 = (A - B F の固有値) + (A - L C の固有値)

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*第7回&color(green){済};(2012.12.21) 期末テスト, 授業アンケート実施 [#lb39741d]
- 試験内容: レポート課題の中から、数値を変えて出題する
- 持ち込み可能なもの: 筆記用具のみ
- 試験時間: 90分

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