[[授業]] [[最新回へ>#u8099bd3]] 担当:小林、TA:M1馬場、M1萩原 &color(red){今年度は前半(古典制御)の内容も小林が担当します。後半は現代制御の内容です}; [[スケジュール2018]] *第1回(2018.9.7) &color(red){前半(古典制御)};概要〜第5章 周波数応答 [#je205b23] - シラバス &ref(syllabus.pdf); (変更あり) - 成績の評価方法と評価項目:レポート(36% = 6点×6回=36点)、%%期末%%&color(red){中間};テスト(64%) - 教科書&color(red){(前半、古典制御)};:[[「フィードバック制御入門」(杉江 俊治、藤田 政之 著、コロナ社)>http://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339033038/]] -- 5. 周波数応答 --- 5.1 周波数応答と伝達関数 --- 5.2 ベクトル軌跡 --- 5.3 ボード線図 --- 5.4 ボード線図の性質 -- 6. フィードバック制御系の安定性 -- 8. フィードバック制御系の設計法 - 講義スライド &ref(slide01.pdf); - 演習問題&color(red){#1}; &ref(exercise01.pdf); 第2回の授業で解説する予定です。事前に問題を解いておいてください。 - グラフ用紙1 &ref(graph01.pdf); - グラフ用紙2 &ref(graph02.pdf); #ref(2018.09.07-1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2018.09.07-2.jpg,left,noimg,板書2) #ref(2018.09.07-3.jpg,left,noimg,板書3) -Q: 解説は分かりやすいがはやかった -Q: 授業が少し早いと感じました。 -Q: 進みがはやい -Q: 授業が進むスピードがとても速くて、難しく感じました。もう少し解説を増やして、ゆっくり進めていただけると、ありがたいです。 -Q: 分量が多かったこともあり、スピードが速かった。 -Q: スピードがはやく、理解が追いつかなかった -Q: 授業は少し速いと思います。 -A: 特に前半の進み方が速かったと思います。授業の冒頭で授業のホームページを投影できないなど時間がかかり、少し急いで話しました。事前の準備不足で申し訳ありませんでした。 次回、改善します。理解が追いつかない場合は、質問してもらえると助かります。 -Q: ベクトル軌跡の1次形の場合における、半円になる根拠がよく分からなかった。 -A: 分子の「足して引く」の変形は良いとすると、疑問は、 \[ \frac{1 - j\omega t}{1 + j\omega t} \] が半円になる理由、だと思います。まず、絶対値が 1 であることはすぐわかります: \[ \left| \frac{1 - j\omega t}{1 + j\omega t} \right | = \frac{\sqrt{1 + (\omega t)^2}}{\sqrt{1 + (\omega t)^2}} = 1 \] 次に、位相については、(たとえば ωt = 1として)複素平面上に \[ 1 - j \omega t, \quad 1 + j \omega t \] の二点を終点とする二本のベクトル(始点は原点)を描くと、その二本のベクトルがなす角(のマイナス1倍)が求めるべき位相を与えます。つまり、ωt が 0 から +∞ に変化するとき、位相は 0 から -180度に向かって変化します。または、次のように式でも示せます: \begin{eqnarray} \angle \frac{1 - j\omega t}{1 + j\omega t} &=& \angle(1 - j\omega t) - \angle(1 + j\omega t) \\ &=& \tan^{-1}\left(\frac{-\omega t}{1}\right) - \tan^{-1}\left(\frac{\omega t}{1}\right) \\ &=& -\tan^{-1}\omega t - \tan^{-1}\omega t \\ &=& -2\tan^{-1}\omega t \end{eqnarray} -Q: レポートについて、どのように運動方程式からG(s)を導出すればよいのか? 図の形が類似していることから、1次系として、G(s)=1/(1+sT)として良いのか? -A: 微分方程式をラプラス変換して導出してください。運動方程式が二階の導関数なので、 G(s)=1/(1+sT)とは(1次の伝達関数には)なりません。 -Q: レポートについて、提示条件から、fは力とされていますが、f=m(d2x/dt2)と扱って良いのでしょうか? -A: ダメです。ダンパによる減衰力、ばねによる復元力もあるので。 -Q: 先生方のメールアドレス(及び連絡手段)は本来ならどこ(学内HP等)から見つけるのが正しいのでしょうか? -A: こちらから提示すべきでした。申し訳ありません。kobayasi の後ろに、@nagaokaut.ac.jp で届きます。 &ref(report1.pdf); レポート#1 課題1「マスの変位」→「マスの平衡点からの変位」としてください。 *第2回(2018.9.21) 第5章 周波数応答(つづき) [#vd4416c1] - 講義スライド ... 第1回のつづき(5.4.2 ボード線図の利点)から - 演習問題&color(red){#1};(第1回で公開済)の解説をします(&color(red){解答例}; &ref(exercise01A.pdf); &ref(exercise01slide.pdf);) #ref(2018.09.21-1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2018.09.21-2.jpg,left,noimg,板書2) -Q: HPのシラバス(動的システムのトップ)に「レポート36% 6点×6回」とあるが、この「6回」というはこのままなのか?前後半含め12回になるのでは? -A: 前半だけのつもりで6回と書いていました(そのわりに、「期末テスト」と誤っており、大変申し訳ありません)。御指摘の通り、前後半合わせて12回です。口頭では説明したのですが、中間テストと期末テストを実施します。次回、改めて全体の[[スケジュール2018]]を示します。 -Q: 重ね合わせが難しいと感じた。 -A: 確かに慣れるまでは難しいと思います。間違いを減らすために、代表的な周波数を何点か(一番低い周波数、高い周波数、その中間)選んで、そこは純粋に足し算をして、感覚的に引いた線が正しいかチェックする、というのが良いと思います。 -Q: もうちょっとメモできる時間がほしい -A: 私がパワポの授業に不慣れなためと思います。すみません。引き続き改善していきます。 レポート#2 &ref(report2.pdf); *第3回(2018.9.28) 第6章 フィードバック制御系の安定性 [#faeae7b0] //- 講義スライド(9月25日(火)までに公開します) - [[スケジュール2018]] - 講義スライド &ref(slide03.pdf); - 演習問題#2 &ref(exercise02.pdf); 第4回の授業で解説する予定です(変更の可能性あり)。事前に問題を解いておいてください。 #ref(2018.9.28_1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2018.9.28_2.jpg,left,noimg,板書2) #ref(2018.9.28_3.jpg,left,noimg,板書3) -Q: ブロック間の入力はノイズに対応するということは分かりましたが、ブロック間の出力は何に対応するのですか? -A: コントローラC(またはKと表記してました)から出力され制御対象Pに入力される信号の場合、それは制御入力なので、通常は制御対象を動かすためのアクチュエータの信号(または、アクチュエータの出力そのもの(力など))となります。これが発散するということです。実際には限界値で飽和します。 -Q: ナイキスト軌跡をかくときに用いるのは P(s), C(s) を用いたフィードバックのとき、P(s)C(s) のナイキスト軌跡を描けばいいのですか? -A: そうです。ナイキストの安定判別=与えられた開ループ系をネガティブフィードバックで閉じた閉ループ系が安定かどうかの判別、なので、常にナイキスト軌跡を描く対象は開ループ系です。 -Q: 21ページに \[ G_{ud}(s) = \frac{-P(s)K(s)}{1+P(s)K(s)} \] はどうやって求めますか。 -A: (前向き伝達関数)/(1 + 一巡伝達関数)を使う場合、d から u までの経路に-1倍があることに注意すると、(前向き伝達関数)= -P(s)K(s) となります。 次のように求めることもできます:P(s) と K(s) それぞれの入出力信号(のラプラス変換)について、 \[ Y(s) = P(s) (D(s) + U(s)), \quad U(s) = K(s) (0 - Y(s)) \] が成り立ちます。ただし、d から(u まで)の伝達関数を求めようとしているので、R(s) = 0 とおきました。さらにY(s) を消去すると \[ U(s) = -K(s) P(s)(D(s) + U(s)) \] \[ (1 + K(s)P(s))U(s) = -K(s)P(s)D(s) \] よって \[ G_{ud}(s) = \frac{U(s)}{D(s)} = \frac{-K(s)P(s)}{1 + K(s)P(s)} = \frac{-P(s)K(s)}{1 + P(s)K(s)} \] となります。 -Q: ついていけなくなってきた。 -A: 時間があると思って余分な話をし過ぎたかもしれません。説明を簡潔にして余裕を持って進めたいと思います。できれば質問してもらえると助かります。 レポート#3 &ref(report3.pdf); *第4回(2018.10.5) 第6章 フィードバック制御系の安定性(つづき) [#l6eb4b9c] - 講義スライド ... 第3回のつづき(6.3 ゲイン余裕、位相余裕)から - 演習問題#2(第3回で公開済)の解説をします (&color(red){解答例}; &ref(exercise02A.pdf); &ref(exercise02slide.pdf);) #ref(2018.10.05_1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2018.10.05_2.jpg,left,noimg,板書2) -Q: レポートのレベルが高い -A: (皆さんは知りようは無いですが去年よりは)問題数は少な目であることと、授業中に関連する話(ヒント)を出していることから、しっかり授業を受けていれば解けると思います。 -Q: ナイキスト線図を描くのが難しい。 -A: ω=0, ∞ の二点がどこか、ω=∞の位相は何度か、中間の周波数でプロットしやすい点をどう決めるか、などがわかれば描けます。基本的には、ボード線図と同じです。ボード線図はそれほど難しくないなら、ボード線図との関係を考えてみると良いと思います。 -Q: フィードバック制御回路で安定性について、開いた系で考えていいのはなぜですか? -A:考えていいかどうかというより、開ループ系の特性が与えられたときに閉ループ系の安定性がどうなるかを知りたいという需要があり、ナイキストの安定判別法があります。 そのような需要があるのは、開いた系の応答は制御対象の特性として閉ループを組む前に与えられるためです。実際にはこれに、設計するコントローラの特性がかけ合わされますが、これも設計者が与えるものなので、全体として開ループの特性は閉ループを組む前に分かります。 -Q: 今さらなのですが \[ \frac{1}{j\omega + 1} \rightarrow \frac{1}{\sqrt{\omega^2 + 1}} \] とは \[ \sqrt{\left(\frac{1}{j\omega + 1}\right)^2} \] ということでしょうか?そしたら \[ \sqrt{\frac{1}{-\omega^2 + 2j\omega + 1}} \] となってしまうので誤りでしょうか? -A: 複素数自身とその絶対値は違うので注意してください。つまり、 \[ \left|\frac{1}{j\omega + 1}\right| = \frac{1}{\sqrt{\omega^2 + 1}} \] は正しいですが、 \[ \frac{1}{j\omega + 1} = \frac{1}{\sqrt{\omega^2 + 1}} \] は誤り(ω=0でない限り成り立たない)です。 わからなければまた聞いてください。 レポート#4 &ref(report4.pdf); *第5回(2018.10.12) 第8章 フィードバック制御系の設計法 [#gaf319d8] - 講義スライド &ref(slide05.pdf); - 演習問題#3 &ref(exercise03.pdf); 次回以降の授業で解説する予定です。授業範囲内の問題は、事前に解いておいてください。 #ref(2018.10.12_1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2018.10.12_2.jpg,left,noimg,板書2) #ref(2018.10.12_3.jpg,left,noimg,板書3) -Q: ゲイン交差周波数と位相余裕がごっちゃになってしまいました。 -A: 位相余裕は、ゲイン交差角周波数における位相の余裕、なのでごっちゃになるのは最初は仕方ないと思います。慣れてください。ただ、即応性を高める=ゲイン交差周波数を上げる、減衰特性を良くする=位相余裕を大きくする、という点は重要なのでごっちゃにならないようにしてください。 -Q: 結局、何が言いたいのか分からなかった。 -A: 要約すると、望ましい時間応答が開ループ系で特徴付けられるということと、そうなるようにPID補償が使える、という二点です。 -Q: レポート難しい -A: 授業中にレポートの問題も関連づけて説明しているので、もし分からなければすぐ質問してもらえると助かります。 レポート#5 &ref(report5.pdf); *第6回(2018.10.19) 第8章 フィードバック制御系の設計法(つづき) [#ob52f84e] - 講義スライド ... 第5回のつづき(8.3 位相進み-遅れ補償による制御系設計)から - 演習問題#3(第5回で公開済)の解説をします(&color(red){解答例}; &ref(exercise03A.pdf); &ref(exercise03slide.pdf);) #ref(2018.10.19_1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2018.10.19_2.jpg,left,noimg,板書2) -Q: レポート#6の(2)に \[ L(s) = \frac{1}{s} \cdot \frac{1}{s+10} \cdot \frac{1}{0.1s+1} \] で \[ \left( \frac{1}{s+10} \right) \] のボード線図は電卓がないときどうやって描きますか。 -A: 描きやすいように分けると良いです。たとえば、 \[ L(s) = \frac{1}{0.1s} \cdot \frac{10}{s+10} \cdot \frac{1}{0.1s+1} \] と分けると、 \[ \left( \frac{10}{s+10} \right) \] または \[ \left( \frac{1}{0.1s+1} \right) \] は簡単に描けます。 -Q: \[ K(s) = K\frac{\alpha(Ts+1)}{\alpha Ts+1} \] で K(∞) = Kα ではなく K(∞) = K となる理由があわかりません。αはどこへ? -A: 次式が成り立つことによります。 \[ K(\infty) = \lim_{s\rightarrow \infty} K\frac{\alpha(Ts+1)}{\alpha Ts+1} = \lim_{s\rightarrow \infty} K\frac{\alpha Ts}{\alpha Ts} = K \] -Q: 講義スライドの例題がもっとほしい -A: 時間的な制約から、講義スライドには確かに例題が少ないと思います。ただ、基本的な事はこれで理解できると思うので、次は教科書の演習問題を解いたり、MATLABなどボード線図が描けるソフトウェアを利用して、色々な場合を考えてみると良いと思います。または、次回、少し時間が余りそうなので、その際に質問してください。必要に応じてMATLABを使って説明できるようにしておきます。 -Q: 「ループ整形」とは、そもそも何をすることなのですか? -A: 開ループ伝達関数(または、一巡伝達関数)のゲイン特性が望ましい形になるように、位相遅れ補償や進み補償などを用いて調整すること、です。 レポート#6 &ref(report6.pdf); *第7回(2018.10.26) 第8章 フィードバック制御系の設計法(つづき) [#p4820c89] - 講義スライド ... 第6回のつづき 55枚目から - 演習問題#3(第5回で公開済)の解説(つづき、問題2) #ref(2018.10.26_1.jpg,left,noimg,板書1) -Q: テストが心配 -A: レポートの内容を理解していれば大丈夫です。 *第8回(2018.11.2) 中間テスト [#gae77cd9] - 試験内容: レポート課題の中から、数値を変えて出題する - 持ち込み可能なもの: 筆記用具のみ(電卓の持ち込みはできません) - 試験時間: 85分 &color(red){&size(25){2018.11.2 前半の成績を掲示しています。レポート返却場所にて。確認してください。採点結果に疑義がある場合は申し出ること。};}; *第1回(2018.11.9) &color(red){後半(現代制御)};概要〜第1章 システムを状態方程式で記述する [#u8099bd3] &color(blue,orange){この授業の目的:与えられた物理系に対して、最適制御系を設計できるようになる}; - シラバス &ref(syllabus.pdf); - 成績の評価方法と評価項目:レポート(36% = 6点×6回=36点)、期末テスト(64%) -教科書:[[「演習で学ぶ現代制御理論」(森 泰親 著、森北出版)>https://www.morikita.co.jp/books/book/2368/]] - 古典制御と現代制御の違い(長所と短所) - 伝達関数と状態空間表現の関係(簡単な運動方程式を例に) #ref(2018.11.09_1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2018.11.09_2.jpg,left,noimg,板書2) #ref(2018.11.09_3.jpg,left,noimg,板書3) #ref(2018.11.09_4.jpg,left,noimg,板書4) -Q: 古典制御と現代制御を比較すると古典制御の方が多く用いられている気がするのですが、実際はどうなんでしょうか。 -A: 世の中にある制御系の9割はPID制御である、という話を聞いたことがあるかもしれません。実際、現在市販されている汎用サーボモータにおいてもPID制御やノッチフィルタなど、古典制御は広く利用されています。ただ、この事から直ちに、古典制御が使えれば十分である、とはならないので注意してください。例えば、(前半の授業でも開ループ系の安定性を仮定したように)世の中にある制御対象の多くは安定系です。何も制御入力を与えなくても、信号が発散することはありません。また、単純な振動系など、低次のシステムと捉えられる場合も多くあります。そのような制御対象に対しては、古典制御でも十分な制御性能が得られます。すなわち現実は、古典制御で十分対応できる制御対象が世の中に多く存在するから見掛け上「古典制御が9割」となっている側面があるので注意してください。比較的小数ではあっても、不安定系や高次系など、古典制御で十分な性能が得られない制御対象は存在し、その場合に現代制御(や、その後の進んだ制御理論)が役立つことになります。逆に、そうでなければ、古典制御以降の発展はありません。 -Q: y=CX の部分がよく分からなかった。 -A: 黒板のどの辺りの話か教えてもらえると助かります。 レポート#7 &ref(report7.pdf); //■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ &color(black,red){&size(20){!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!以下は過去の情報です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!};}; #ref(2017.11.10-1.jpg,left,noimg,板書1) #ref(2017.11.10-2.jpg,left,noimg,板書2) #ref(2017.11.10-3.jpg,left,noimg,板書3) #ref(2017.11.10-4.jpg,left,noimg,板書4) #ref(2017.11.10-5.jpg,left,noimg,板書5) #ref(2017.11.10-6.jpg,left,noimg,板書6) -Q: 3次元のTFをSSRに変換するときSSRのxはどのようにとっているのか -A: &ref(授業/動的システムの解析と制御2015/ctrbf.pdf);を参考にしてください。 \[ x = \left[ \begin{array}{c} x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end{array} \right]\] とおくと、 \[ x_2 = \dot x_1, \quad x_3 = \dot x_2 = \ddot x_1 \] より \[ x = \left[ \begin{array}{c} x_1 \\ \dot x_1 \\ \ddot x_1 \end{array} \right]\] となります。また、入力 u との関係は、 \[ \dot x_3 = - a_0 x_1 - a_1 x_2 - a_2 x_3 + u \] すなわち \[ x_1^{(3)} = -a_0 x_1 - a_1 \dot x_1 - a_2 \ddot x_1 + u \] です。伝達関数の方が分かり易いと思いますが、上式をラプラス変換すると \[ (s^3 + a_2 s^2 + a_1 s + a_0)X_1(s) = U(s) \] より \[ \frac{X_1(s)}{U(s)} = \frac{1}{s^3 + a_2 s^2 + a_1 s + a_0} \] の関係が成り立ちます。わからなければまた聞いてください。 -Q: 文字が小さかった。 -Q: 文字が小さい(特にそえ字) -A: 履修者が少ないため、できるだけ前の方に着席願います。それでも小さければ、また指摘してください。できれば授業中に教えてもらえると、すぐ対応でき助かります。 #ref(report1.pdf,left,レポート1回目); *第2回(2017.11.17)第2章 システムの応答と安定性 [#yd442180] - 解析問題と設計問題: 解析が基本、今日は解析を扱う。特に安定性 - 古典制御における安定性:インパルス応答がt→∞で0に収束する - ⇔ 現代制御における安定性:任意の初期値に対する応答がt→∞で0に収束する - ⇔ 伝達関数の極の実部がすべて負 - ⇔ A行列の固有値の実部がすべて負 - 復習:たたみこみのラプラス変換、行列の固有値と固有ベクトル、逆行列 - 状態遷移行列の定義、状態遷移行列のラプラス変換 #ref(2017.11.17-1.jpg,left,noimg,板書1); #ref(2017.11.17-2.jpg,left,noimg,板書2); #ref(2017.11.17-3.jpg,left,noimg,板書3); #ref(2017.11.17-4.jpg,left,noimg,板書4); #ref(2017.11.17-5.jpg,left,noimg,板書5); #ref(2017.11.17-6.jpg,left,noimg,板書6); -Q: これ \[ \forall \] が何かわかりませんでした -A: 全ての、です。つまり、 \[ {}^\forall x(0) \] は、全ての x(0) に対して、という意味になります。 -Q: u(t) = δ(t) とすることで x(0) を任意に指定できると同じの意味がよく分からない。 y(0) = cb なら y = cx より x(0) = b のときしか考えられないのではないですか -A: 入力信号 u(t) として δ関数を許せば、x(0) が零じゃない場合を扱える、という主旨の説明でした。この先の質問と思います。u(t) = δ(t) とする限り、確かに x(0) = b の場合のみしか扱えません。しかし、δ(t) の実数α倍 u(t) = α δ(t) とすると、x(0) = αb、つまり任意の初期値が指定できます。分からなければまた聞いてください。 -Q: x(0) が Aの固有ベクトルでないときは初期値応答の収束条件はどのように考えるのですか -A: x(0) がどのように与えられたとしてもその応答が 0 に収束する条件、が安定条件の定義ですので、全ての x(0) を調べる必要があります。そのためには、Aの固有ベクトル全てを調べることが必要十分です。つまり、任意に与えられた x(0) は固有ベクトルの線形結合で表されるので、その応答も、 各固有ベクトルが別々に入力されたときの応答の線形結合で表されます。 さらに言えば、固有ベクトルではない x(0) が存在して、その応答が0に収束しなかったとすると、 必ず実部が非負の固有値が少なくとも1個存在することが示されます。 上記二つの質問はとても良い質問ですので、できれば授業中に質問してもらえると、他の人も助かると思います。 -Q: 古典制御の安定性の条件。 伝達関数の「全ての」極の実部が負であるときですよね? -A: その通りです。 #ref(report2.pdf,left,レポート2回目); *第3回(2017.11.24) 第3章 可制御性(3.3可制御性とその条件), 第5章 極配置法(5.1 フィードバック係数ベクトルを直接計算する) [#g3ca74e0] -解析から設計へ、出力フィードバック(難)→状態フィードバック(簡単、基本) -閉ループ系のA行列 = A - BF -A-BFの固有値をFによって任意に指定できる=可制御性 -例1(Fによる固有値の指定不可)、例1'(指定可) -可制御性の定義 -可制御性の判定方法(可制御性行列の正則性) -レポート対策 #ref(2017.11.24-1.jpg,left,noimg,板書1); #ref(2017.11.24-2.jpg,left,noimg,板書2); #ref(2017.11.24-3.jpg,left,noimg,板書3); #ref(2017.11.24-4.jpg,left,noimg,板書4); #ref(2017.11.24-5.jpg,left,noimg,板書5); #ref(2017.11.24-6.jpg,left,noimg,板書6); #ref(report3.pdf,left,レポート3回目); *第4回(2017.12.01) 第6章 最適レギュレータ §6.1 評価関数と最適制御 [#qd77f99f] - 簡単な例題(a, x, b, u, f がすべてスカラ、b > 0)... 最適制御を直感的に理解できる - (i) x(t)→0の収束する速さ、(ii) u(t)を小さく抑えること、にトレードオフがある - 極配置法では、(i),(ii)のバランスを客観的に取りにくい - 最適制御では、(i),(ii)のバランスを客観的に取れる - 最適レギュレータ問題と、その解(リカッチ方程式、P>0) - 最適制御の結果を使わずに J を最小化する f を求める ... f の二次方程式、閉ループが安定となる解を選ぶ - *1:f の二次方程式とリカッチ方程式の関係 - *2:閉ループ系の安定性と P > 0 の関係 - *3:Jの最小値を求める - r を大きくする((ii) を重視する)と、|a-bf| が小さくなる #ref(2017.12.01-1.jpg,left,noimg,板書1); #ref(2017.12.01-2.jpg,left,noimg,板書2); #ref(2017.12.01-3.jpg,left,noimg,板書3); #ref(2017.12.01-4.jpg,left,noimg,板書4); ... □7でf中の±の符号の上側(+)を選んでいますが、b < 0 の場合は下側(ー)を選ばなくてはなりません。以下Q/Aの最後を参照ください) #ref(2017.12.01-5.jpg,left,noimg,板書5); -Q: \[ {}^\exists F \] の \[ \exists \] の意味がわからなかった。 -A: 存在する、です。 -Q: \[ \dot x = (A - BF)x \] \[\downarrow \quad \mbox{状態遷移行列} \] \[ x(t) = x(0)e^{(A-BF)t} \] x(t)を使うタイミングが難しいですが、何かパターンはありますか? -A: 今日やった、簡単なスカラの例の場合は、fに依存する形でx(t)を求めることができ、評価関数Jも同様に求まります。その結果、Jを最小化するfが求まります。 そのために x(t) を使っています。「タイミングが難しい」の意味がわからないため、質問の答になっていないかもしれません。その場合はまた聞いてください。 -Q: rが小さいほど、たくさんエネルギーを使う。qが小さいと、収束性が速くなる? -A: qが小さいと、収束性が悪く(収束が遅く)なります。 -Q: (講義の際の疑問:b の符号によらず、閉ループ系が安定となるための必要十分条件が f > 0 だったとすると、f = b p / r の関係式より、b < 0 の場合は p < 0 が閉ループ系が安定となるための必要十分条件となってしまう。どこに誤りがあるのか? -A: 講義中に混乱してすみませんでした。結論から言うと、黒板□7で、b の符号によらず a - b f < 0 となる f として \[ f = \frac{a}{b} + \sqrt{\frac{a^2}{b^2} + \frac{1}{r}} \] と選んでいましたが、これが間違っていました。 つまり、 \[ a - bf = \mp b \sqrt{\frac{a^2}{b^2} + \frac{1}{r}} = \left\{ \begin{array}{c} \mp \sqrt{a^2 + \frac{b^2}{r}} \quad (b > 0) \\ \pm \sqrt{a^2 + \frac{b^2}{r}} \quad (b < 0) \end{array}\right. \] が正しいです(b を根号の中に入れるときに符号を失念しました。つまり、 \[ b = \left\{ \begin{array}{c} \sqrt{b^2} \quad (b > 0) \\ -\sqrt{b^2} \quad (b < 0) \end{array}\right. \] です)。 すなわち、b < 0 の場合は、閉ループ系を安定化する解fは、±の下側の符号を採用して \[ f = \frac{a}{b} - \sqrt{\frac{a^2}{b^2} + \frac{1}{r}} \] としなくてはならず、このとき f < 0 となります。よって b の符号によらず、常に p > 0 が成り立ちます。単純ミスに気付かず、大変申し訳ありません。 #ref(report4.pdf,left,レポート4回目); *第5回(2017.12.8) 第6章つづき〜 §6.2 重み行列と正定・半正定、§6.3最適制御系の安定性 [#hba17fe8] - 行列へ拡張: q→Q≧0, r→R>0 - (半)正定行列の定義 - 対称行列の固有値と正定性の関係(演習6.6), 対称行列の固有値はすべて実数(演習6.8) &ref(授業/動的システムの解析と制御2015/proof3.pdf); - 最適制御⇒安定かつJが最小 &ref(授業/動的システムの解析と制御2015/proof4.pdf,left,証明); - 最適レギュレータの設計(演習6.3,6.4):リカッチ方程式の解P、P > 0 ⇒ 対応する F が閉ループ系を安定化 #ref(2017.12.08-1.jpg,left,noimg,板書1); #ref(2017.12.08-2.jpg,left,noimg,板書2); #ref(2017.12.08-3.jpg,left,noimg,板書3); #ref(2017.12.08-4.jpg,left,noimg,板書4); #ref(2017.12.08-5.jpg,left,noimg,板書5); -Q: □8のレポート対策、[(左辺)=]の左辺とはどれのことですか? リカッチ方程式の左辺(右辺の0じゃない方)です。 左辺を計算してもし0になれば、左辺=右辺、つまりリカッチ方程式を満たすことがわかる、という意味です。説明不足だったようですみません。 授業中に指摘してもらえると助かります。 #ref(report5.pdf,left,レポート5回目); *第6回(2017.12.15) §9.1状態観測器の構造 [#w651807f] - 状態xが使えない場合 - (方法1) 状態の代わりに出力yを使う = 静的出力フィードバック ⇒ ダメ - 別の方法:状態を推定して、それをxの代わりに使う - 状態観測器の定義:t→∞で誤差 x(t) の推定誤差が0となる - (方法2) 状態観測器? (演習9.1) + 状態フィードバック ⇒ ダメ - (方法3) 状態観測器((9.3)式, 演習9.2) + 状態フィードバック - 状態観測器を作る((9.3)式の導出、方法2は状態観測器にならない) - 可観測性(可制御性との関係) - 演習9.3':A - L C を安定(固有値の実部がすべて負)とする L の求め方 #ref(2017.12.15-1.jpg,left,noimg,板書1); #ref(2017.12.15-2.jpg,left,noimg,板書2); #ref(2017.12.15-3.jpg,left,noimg,板書3); #ref(2017.12.15-4.jpg,left,noimg,板書4); -Q: 第6回のレポート返却はいつされますか。 -A: 21日(木)10:00に返却予定です。 -Q: 制御ではA-BFの固有値の実部を負に大きくとると収束性が上がりますが可観測系ではそのような性質がありますか? -A: 次回説明する予定ですが、推定誤差の収束性が上がります。良い質問なので、授業中にしてもらえるとさらに良かったです。 #ref(report6.pdf,left,レポート6回目); *第7回(2017.12.19) §9.3併合系の固有値 [#r613c87c] - 方法3で安定化できる理由:閉ループ系の固有値 = A - BF と A - LC の固有値 - 方法3が評価関数Jの最小値に与える影響? - A-LC の固有値の実部が-∞に近づくように L を設定すると何が起こるか? #ref(2017.12.19-1.jpg,left,noimg,板書1); #ref(2017.12.19-2.jpg,left,noimg,板書2); #ref(2017.12.19-3.jpg,left,noimg,板書3); #ref(2017.12.19-4.jpg,left,noimg,板書4); -Q: \[ \left[\begin{array}{cc} I & -I \\ 0 & I \end{array} \right] \] は行列の中に行列が入っているんですか? \[I_2 \rightarrow\left[\begin{array}{cc} \left[ \begin{array}{cc} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{array} \right] &-\left[ \begin{array}{cc} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{array} \right] \\ \left[ \begin{array}{cc} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{array} \right] & \left[ \begin{array}{cc} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{array} \right] \end{array} \right] \] -A: その通りです。 なお、上の4×4の行列は、 \[ \left[ \begin{array}{cccc} 1 & 0 & -1 & 0 \\ 0 & 1 & 0 & -1 \\ 0 & 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 0 & 1 \end{array}\right] \] とも書きます。 -Q: (上の問のつづき) 計算は \[ \left[ \begin{array}{cc} 1 & -1 \\ 0 & 1 \end{array} \right] \] として良い? -A: あたかも I2 が 1 であるかのように、という意味と思います。 ある行列 M にそのサイズの単位行列をかけるのと、行列Mのスカラ1倍、の二つは同一なので、その意味で、「良い」です。 厳密には、ブロック行列に対して積が特別に定義されるわけではなく、もとの積の定義は、皆さんが知っている行列の積のみです。その定義から、ブロック行列に対する積の性質 \[ \left[ \begin{array}{cc} M_{11} & M_{12} \\ M_{21} & M_{22} \end{array} \right] \left[ \begin{array}{cc} N_{11} & N_{12} \\ N_{21} & N_{22} \end{array} \right] = \left[ \begin{array}{cc} M_{11} N_{11} + M_{12}N_{21} & M_{11} N_{12} + M_{12} N_{22} \\ M_{21} N_{11} + M_{22}N_{21} & M_{21} N_{12} + M_{22} N_{22} \end{array}\right] \] が導かれます(要素毎に展開すると確認できます)。 -Q: レポ5から よく \[ PA = \left[ \begin{array}{cc} a & b \\ 0 & 0 \end{array} \right] \] \[ A^T P = \left[ \begin{array}{cc} a & 0 \\ b & 0 \end{array} \right] \] となる。 \[ PA = (A^T P)^T \] の理由? -A: まず、任意の行列 M と N に対して、 \[ (M N)^T = N^T M^T \] が成り立ちます。ただし、積 M N が定義できるように、M の列数と N の行数が等しいとします。 これを認めれば、 \[ (A^T P)^T = P^T A \] となります。ここで、授業で出て来た行列 P は対称行列なので、 さらに、 \[ (A^T P)^T = P^T A = P A \] が成り立ち、質問の式が成り立ちます。 *第8回(2017.12.22) 期末テスト, 授業アンケート実施 [#b980301e] - 試験内容: レポート課題の中から、数値を変えて出題する - 持ち込み可能なもの: 筆記用具のみ - 試験時間: 85分 - 授業アンケート(本科目の前半・後半をまとめて) &color(red){&size(25){2017.12.24 前半・後半を含めた総合成績を掲示しています。レポート返却場所にて。確認してください。採点結果に疑義がある場合は1月5日(金)までに申し出ること。};};