共振周波数および反共振周波数の計算と比較

ここでの目的は, 周波数応答実験により得られた結果が妥当かどうか, 簡単な検証作業を行うことです.
このような簡単な検証を行うことにより, 信号線の接続ミスや,A/D, D/A チャンネルの設定ミス等, 根本的なミスを防ぐことができ,安心して制御系設計に進むことができます.

具体的にここでは,w から y までの周波数応答に現れる, 共振周波数と反共振周波数を理論計算結果と比較します.
w から y までの周波数応答を選ぶ理由は,理論計算が簡単だからです. 近似的に,一端が開口で他端が閉口となった管の,閉口端における粒子速度から音圧までの周波数応答に一致します.



以下, Matlab 上で作業します.
ただし,~/WWW/1 もしくは ~/WWW/2 に移動してから Matlab を起動してください.
  1. グラフを表示して,共振周波数と反共振周波数を読みとります.
    まず,周波数応答データの読み込みます:
    >> load spk1.dat
    	
    注意:
    「>>」は入力する必要はありません.Matlab のプロンプトです.

    実際に読み込まれたことを確認します.
    見やすいように指数表示にしてから spk1 の内容を表示します:
    >> format short e
    >> spk1
    
    ans =
    
       1.0000e+01   5.8768e-04   1.4745e+02   8.6876e-04   1.6989e+02
       1.0471e+01   4.7654e-04   1.4666e+02   1.0431e-03   1.6208e+02
       1.0965e+01   7.4107e-04  -2.2723e+02   1.1267e-03  -2.0344e+02
       1.1482e+01   7.1716e-04  -2.1929e+02   1.2773e-03  -2.0144e+02
       1.2023e+01   9.2359e-04   1.3304e+02   1.4885e-03   1.5287e+02
       1.2589e+01   9.1276e-04   1.2684e+02   1.6918e-03   1.4954e+02
       1.3183e+01   1.0547e-03  -2.3451e+02   1.9434e-03  -2.1453e+02
       1.3804e+01   1.1024e-03   1.2155e+02   2.2507e-03   1.4110e+02
       1.4454e+01   1.1892e-03   1.2158e+02   2.5899e-03   1.3916e+02
       1.5136e+01   1.4463e-03  -2.4348e+02   3.0333e-03  -2.2394e+02
    (中略)
       1.2023e+03   1.4368e-03   1.4637e+01   2.5930e-03   2.0614e+02
       1.2589e+03   8.6975e-04  -1.9890e+01   3.4250e-03  -1.7094e+02
       1.3183e+03   9.9568e-04   2.2794e+02   4.3315e-04   8.9225e+01
       1.3804e+03   1.1055e-03   1.7386e+02   2.0125e-03   1.7387e+02
       1.4454e+03   1.3002e-03   7.6828e+00   6.5796e-04   6.3891e+01
       1.5136e+03   1.3388e-03   2.3266e+02   1.2286e-03   6.0970e+01
       1.5849e+03   1.0311e-03   1.2270e+02   1.6596e-03   7.9986e+01
       1.6596e+03   4.2806e-04   3.5013e+01   4.2572e-04   8.3348e+01
       1.7378e+03   2.4791e-04  -8.2351e+01   3.7587e-04  -6.9418e+00
       1.8197e+03   3.3969e-04  -2.5462e+02   4.3694e-04  -2.9834e+01
       1.9055e+03   3.2147e-04  -3.3319e+01   1.7681e-04  -4.8122e+01
    	
    5 列あって,一列目は周波数[Hz],
    2,3 列目は w から z までの周波数応答のゲインおよび位相,
    4,5 列目は w から y までの周波数応答のゲインおよび位相,
    です.

    今計算結果と比較しようとしているのは w から y までの周波数応答のゲイン特性なので,spk1 の 1 列目を横軸に対して 4 列目を縦軸に表示します.
    >> loglog(spk1(:,1),spk1(:,4),'.-')
    >> grid on
    	
    loglog は両対数プロット,'.-' は,点を実線でつないでプロットするという意味です.
    グラフの上向きピークの周波数が共振周波数で,逆に下向きピークの周波数が反共振周波数です.


    実行例:



    ツールバーにある Zoom in/Zoom out ボタンを使って, 共振周波数と反共振周波数を低い方からそれぞれ 2 つずつ読みとってください.
    実行例(一個目の共振周波数を拡大表示したところ):

    この場合は,つぎのように入力すれば,10 の 1.64 乗を計算することができます.
    >> 10^1.64
    
    ans =
    
       4.3652e+01
    	
    注意:
    「^」 はべき乗の意味です.

    同様にして,以下の表をうめてください:
    1次2次
    共振周波数44 Hz ? Hz
    反共振周波数? Hz ? Hz


  2. 理論値を計算します.



    実際にメジャーで L を測り, Matlab 上で fr, fa を 計算して以下の表を埋めてください.
    (Matlab 上で計算できます)
    なお,音速 c は 340[m/sec] としてください.

    m = 0m = 1m = 2
    共振周波数(fr) ? Hz ? Hz ? Hz
    反共振周波数(fa) ? Hz ? Hz ? Hz

Yasuhide Kobayashi
Last modified: Thu May 20 13:58:12 JST 2004