本論文では,能動騒音制御系に対して時不変の低次補償器を得るために,従来 の適応制御(filtered-U RLMS)に基づく手法と,ロバスト制御系設計(サンプル 値H∞制御)の二つを比較している.住宅に設置された換気システムを用いて実 験を行った結果,ロバスト制御の方が騒音レベルを低減することができ,エリ アシング成分に対する性能劣化が小さいことを示している.また,ロバスト制 御を用いる場合に,実際のファン騒音を用いて(騒音源にスピーカを用いるこ となく)制御系を設計するための手法を示している.