本論文では,超音波モータの速度追従制御系に対するディジタル補償器の設計 問題を考える.従来の連続時間H∞制御ベース設計を行う場合には,エリアシ ングの影響により制御結果が振動的となるのを抑えるために,モデル化誤差に 対する重み関数を高周波数域において試行錯誤により意図的に大きく設定する 必要がある.これに対して本論文では,サンプル値H∞制御系設計を行えば, このような重み関数の試行錯誤による調整を行うことなく,望ましい制御結果 が得られることを実験により示す.