補償器をディジタル実装すると,その演算語長が有限であるために実装誤差が 生じる.特に演算能力が低い安価なハードウェアを用いる場合には,できるだ け大きな実装誤差を許容するように補償器を設計することが実用上重要である. そこで本論文では,実装誤差に対するロバスト性を最大化する補償器の設計法 を提案する.具体的には,一つの設計パラメータ(定数スケーリング)を持つ LMI に基づき,non-fragile 出力フィードバック H∞ 補償器の設計法を与え る.従来法よりも設計パラメータの数が少ないため,比較的容易に補償器設計 が可能であることを指摘する.また,提案手法をアクティブ消音制御系設計へ 応用し,実用上の有効性を示す.