当研究室では、制御工学の実システムへの応用に関する研究を行っています。特に、熱音響システムや振動発電など、共振現象を伴うエネルギーの有効利用に対して制御工学を応用・拡張し、従来の発振を抑制する制御に対して発振を維持・促進するための制御系解析・設計ツールの構築を目指しています。さらに、従来の、音響パワーをフィードバックするループ管進行波型熱音響発電機に対して、電力をフィードバックすることで発振を一定に維持する電力フィードバック進行波型熱音響発電機を世界に先駆けて開発し、熱音響発電機の高効率化・小型化を目指しています。
換気用ダクト等において,騒音にスピーカで音を干渉させることにより騒音を抑制します.ロバスト制御を用いることにより,適応制御に基づく従来の制御系よりも安価なシステムを構築することを目指しています。
防波堤等において水中に水平板を設置して波を抑制する技術があります.水平板を能動的に制御することで制御性能の向上を目指しています.
汎用サーボモータは,ユーザにより様々な制御対象に接続され少ない手間で十分な性能を達成する必要があります.制御対象の慣性モーメントなどの物理定数をパラメータとして持つロバスト補償器を構成することにより,ユーザーが調整しやすい制御手法の構築を目指しています.
片持梁や窓ガラス等の柔軟構造物の制御問題において,圧電素子等のアクチュエータを複数配置し,アクチュエータで外乱を吸収する技術が提案されています.能動騒音制御において古くから提案されている同様の技術との関連を明らかにすることを目指しています.
近年、音エネルギーを介して排熱を利用して冷凍を行う、ループ管熱音響冷凍機の開発が行われています。ループ管の中に定在波が生じると、熱音響変換効率が下がると言われています。能動騒音制御技術を応用し、ループ管内の定在波を抑制し進行波に補正することで、効率の良い熱音響冷凍機の実現を目指しています。