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3.1 周波数応答法

未知システムの伝達関数(以下,$ M(s)$ とする)を同定するための手法の一つ として, 周波数応答法がある. 周波数応答法では,未知システムにある周波数 $ f$ の正弦波 $ u(t)$ を入力 し,その出力 $ y(t)$ を観測する. 未知システムの非線形性が弱く,ほぼ線形系とみなせるような場合には, 出力信号 $ y(t)$ も同一周波数 $ f$ の正弦波となり(図3), 未知システムの伝達関数 $ M(s)$ は,入出力信号の振幅比(出力/入力) $ A$ と 位相差(入力に対する出力の進み) $ \phi$ によって,

$\displaystyle M(j\omega) = A e^{j\phi}$ (3)

と特徴づけられる. 周波数 $ f$ を細かく変化させながら,振幅比 $ A$ と位相差 $ \phi$ を記録し, プロットしたものが,未知システムの周波数応答であり, これを最小二乗法等を用いて近似することにより, 未知システムの伝達関数 $ M(s)$ を決定することができる.

図 3: 周波数応答法
\includegraphics[width=4cm]{u.ps}

\includegraphics[width=4cm]{u-1.ps}

\includegraphics[width=4cm]{u-2.ps}

\includegraphics[width=3cm]{sin.eps}
\includegraphics[width=4cm]{y0.ps}

\includegraphics[width=4cm]{y0-1.ps}

\includegraphics[width=4cm]{y0-2.ps}

課題 1   周波数応答法により,図1の 4 つの伝達関数 $ G_{zw}(s)$, $ G_{zu}(s)$, $ G_{yw}(s)$, $ G_{yu}(s)$ を求めよ.

課題 2   $ G_{zw}(s)$ の周波数応答をプロットし,主な共振周波数および反共振周波 数を列挙せよ.これらを,理論式による計算結果と比較・検討せよ.

各課題に対する作業手順の詳細は,以下の URL を参照のこと:

http://multi2.nagaokaut.ac.jp/~kobayasi/ANC/


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Yasuhide Kobayashi
平成15年4月8日